COPDの治療
COPDとは
COPDとは英語のChronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字をとった病名です。日本語に訳すと慢性閉塞性肺疾患となります。病気としては、様々な有毒なガスや微粒子の吸入、特に喫煙などがきっかけになり、肺が壊れてしまい呼吸困難や息切れを生じる病気です。近年先進国でのこの病気に罹る人が多くなってきました。若いころから喫煙をしていた人が、高齢化することによって肺が破壊されて発症する件数が増加しています。
COPDの初期は無症状で、自覚はほとんどありません。病気が進行すると呼吸の効率が悪化して、息切れや、たんの増加などの症状が出てきます。初めは階段や坂道での上りの際に症状が現れますが、次第に会話などの日常動作にもあらわれるようになります。また呼吸するのにエネルギーが必要になるため、多くの患者さんが痩せていきます。重症化すると通常の呼吸が困難にになり、酸素吸入療法が必要になります。最終的には肺炎・呼吸不全を来して死亡することもある病です。
治療について
残念ながら破壊されてしまった肺は再生することがないので、根本的な治療はあまりありません(一部肺移植が行われていますが日本では一般的な治療ではないです)。しかしながら現在では薬物治療によって進行を遅らせることができる病気であることが解ってきております。
COPDと診断されて喫煙されている方にはまず禁煙からはじめていただきます。症状の段階によって、長時間作用型抗コリン吸入薬や長時間作用型ベータ刺激吸入薬などの薬物投与による治療を行うことがあります。また、呼吸のリハビリテーションとして、運動療法や呼吸トレーニングによって改善を図っていくこともあります。
症状が強くなれば病院に入院しての治療となります。場合によっては人工呼吸器の適応となる事があります。
自覚症状が無くても特に喫煙されている方は、COPDである可能性があります。出来るだけ早い段階で当院にご相談ください。