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がんについてのQ&A

このページでは、がんに関する一般的な疑問にお答えします。この記事は医学情報に基づいて記載しておりますが、ある特定のがん情報を否定するものではありません。また、解りやすくするために一部脚色している部分もあります。その点をご了承ください。

Q1: がんって、どうして発生するの?

A1: 完全には解明されていないのが現状です。その中で現在言われていることは、細胞の分裂を司る遺伝子が何らかの影響(加齢・化学物質・ウィルス等)で変化し細胞分裂が暴走してしまう事によって起きるとされています。

Q2: うちの家系はがん家系じゃないから、がんにはならないよね?

A2: 確かにがん家系というのは存在し、さらに特定の遺伝子変化があるがん(遺伝性乳がんや家族性大腸腺腫症等)は家族集積性があります。よって家族にがん患者がいるときに自分もがんになる確率は若干上がります。しかしながら一卵性双生児(遺伝子がすべて一致しています)において一方ががんになった時にもう一方にがんが発生する確率は、そうでないものと比べて約10%の上昇と言われております。また、日本人と遺伝子的に似ている日系アメリカ人のがん発生率は、アメリカ人全体のそれとあまり変わりがありません。さらに肝臓がんの原因の80%は肝炎ウィルスによるもの、胃がんの原因のほとんどはピロリ菌感染、咽頭喉頭がんや子宮頸がんの原因の一つはパピローマウィルスによる感染と、遺伝とは関係の少ない、感染症によるがんの原因も報告されています。これらのことはがんが発生する原因の多くは、特定のがんを除き遺伝的要因よりも環境要因(生活習慣や感染症)の方が高いという事を示唆していると考えられます。

Q3: 知り合いにがんになった人がいて、3か月くらいであっという間に亡くなってしまいました。どうしてそんなに急に悪くなるものなのでしょうか?

A3: がんとは、癌細胞が分裂してどんどん大きくなり、正常な臓器の機能を障害させることによって生命を維持することが出来なくなって死にいたる病です。細胞増殖をするにあたり、1個の細胞が2個に分裂し、それが4個、8個、16個と指数関数的に増殖します(ねずみ算式に増えます)。このことは倍々で増えていくことであり、極端に言えば1ミリが2ミリになる時間と、10センチが20センチになる時間がほぼ同時という事になります(正確には壊死やアポトーシスという現象がありちょっと違います)。つまりがんは大きさ的にも急激に増える為、見かけ上急に症状が激しく出るように見えるのです。

Q4: 自分には症状が全くありません。だからがんではないと思うのですが・・・

A4: 早期がんで症状が出る事は一部のがんを除いてほとんどありません。特に消化器がんは、早期がんとよばれるステージで症状が出る事はなく、そのほとんどが検診などの検査で見つかっています。逆に言えば症状が出る段階では、かなり進行している事になります。その為にも早めに検査は受けていただくことが、がんで苦しむ可能性を減らすことになると思います。

Q5: では、自分はがん検診を受けているので、がんになることはないですね?

A5: ところがこれが悩ましいところで、検査の感度や、臓器によって検査の網から漏れてしまうがんもあるのです。それは残念ながら現代医学の限界と言えるかもしれません。では、がん検診は意味がないかと言われるとそうでもなく、検査で見つかるがんも多くあるため、結果的にがんで亡くなる確率を下げる事ができます。言い換えれば0か100かという簡単な話ではなく、検診を受ける事によってある程度のがんは見つける事ができるので、やらないよりは見つけられる範囲において有効であるという事になります。

Q6: では、がんに罹らない様にするにはどうしたらいいですか?。

A6: これも残念ながら100%がんにならないで天寿を全うするコツというものはありません。しかしながらがんを発生させる環境因子を避け、早期がんで完治できるステージでがんを発見することによって、がんで命を失う可能性を低くすることができます。具体的には、規則正しい生活をして肥満を避ける事、喫煙・飲酒を控える事、ピロリ菌や肝炎ウィルス検査をして感染していればその対策をする事、検査を受ける事、大腸内視鏡を受け、適応のあるポリープを切除する事。等が言えると思います。

Q7: 抗がん剤について、投与されても苦しむだけと聞いたことがあります。抗がん剤は意味がないのでしょうか?

A7: 抗がん剤とは、悪性腫瘍に対してその細胞増殖を抑え進行を止める薬のことを言います。現在世界にある抗がん剤は百種類以上あり、それが癌の種類、遺伝子変化に応じてテーラーメード的(患者さん個人に合わせた治療法)に投与されているのが現在の医療です。よって、時々耳にする一般的な”がん”に対して「抗がん剤は~~」とひとくくりに説明することは正直不可能です(つまり、臓器によって性質が異なる癌をすべて、”がん”とひとくくりに説明している情報は正確性が低いということになると思います)。

その前提の上での「抗がん剤は副作用のみで意味がないのか」という問いには、一部正解ですが多くは間違いという答えになろうかと思います。つまりがんの種類によってよく効く抗がん剤と、副作用のみで効果があまりない抗がん剤は実際存在しますが、現在の体の状態と、副作用というリスクと、抗がん作用の効果をよく勘案して適応があれば抗ガン剤治療を受けるべきであると考えます。言い換えると残念ながら100%の完治ができる抗腫瘍効果と0%の副作用の危険性が両立する抗がん剤は存在しません。また余命が短いと考えられる状態、寝たきりの状態での抗がん剤治療はそれこそ寿命を縮める事があります。そこをご理解しないと、科学的ではない不確かながんの情報に惑わされることになると思われます。

また現在ではあらかじめその薬が目的のがんに効果があるかどうか調べてから投与する抗がん剤もありますので、担当の先生とよく相談して抗がん剤の適応を決められるとよろしいかと思います。

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